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謎解き書籍コラム Vol.3―書籍のタイトルを探し出せ!―

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謎解き書籍コラム Vol.3―書籍のタイトルを探し出せ!―

おすすめ書籍をご紹介するコーナーがリニューアル!謎を解くと書籍のタイトルが出てきます。コラムを読む前に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。(※解けなくても、スクロールするとヒントやコラムにたどり着けます)

ヒント1書籍について

2017年 第157回直木賞を受賞しました。

ヒント2解き方

虫メガネをよ~く見てみてください。

正解は…

月の満ち欠け

月の満ち欠け

小山内堅の娘、瑠璃は7歳の秋に高熱を出した後、急に大人びた表情を見せるようになる。古い歌を歌い、デュポンのライターを見分け、揚げ句、誰かに会いに行ったかのような家出を繰り返すように。そんな瑠璃は高校の卒業式を終えた日、小山内の妻と共に事故で命を落としてしまう。時は流れ15年後。小山内の前に三角と名乗る男が現れ、瑠璃との思い出を語り始める。“小山内瑠璃”ではなく、30年前の“正木瑠璃”との思い出を…。

タイトル:月の満ち欠け
著者:佐藤正午
発行所:岩波書店
価格:\1600+税

命と共に愛は繰り返す。
月が満ち欠けするように。


あの世に帰ってしまった魂が、この世に何度も生まれ変わるという思想を「輪廻(りんね)転生」といいます。輪廻転生があるとすれば、前世で芽生えた誰かへの思いが、生まれ変わった人にも宿っているかもしれない…。「月の満ち欠け」はこの輪廻転生をテーマにした、3人の男と1人の少女の人生が交錯する純愛小説です。一見、ファンタジーになりがちなモチーフにも関わらず、ストーリーが空々しくなく、大人の心に響くのは、きっと主人公である小山内堅と読者の戸惑いがリンクするから。小山内は読者と同じように、娘の異変を目の当たりにしながらも「前世なんて信じられるわけがない」、「でもそれ以外に考えられない」とさまざまな思考を巡らせます。諦めにも似た感情で、数奇なる愛の軌跡をゆっくり、静かに受け入れていくさまは、小山内のため息が聞こえてきそうなほどリアルで生々しい。日頃、ファンタジー作品は読まないという人でも、世界観にグッと引き込まれ、読後は十分な満足感を得られるはずです。
物語の終盤、こんなセリフが胸を打ちます。「生まれ変わりは、あたしだけとはかぎらないよ」。愛の深さが条件なら、輪廻転生を可能にするのは瑠璃だけではないはずです。月が満ち欠けするように、生と死を繰り返しながら受け継がれる愛のバトン。今、あなたにとって大切な人とは、実は前世から…? 来世でもまた…? 「あるわけない」と思いながらも心のどこかで信じたくなるのは、この作品の影響でしょうか。

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