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謎解き書籍コラム Vol.6―書籍のタイトルを探し出せ!―

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謎解き書籍コラム Vol.6―書籍のタイトルを探し出せ!―

謎を解くと書籍のタイトルが出てきます。コラムを読む前に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。(※解けなくても、スクロールするとヒントやコラムにたどり着けます)

ヒント書籍について

第158回直木賞受賞作品です。

正解は…

銀河鉄道の父 銀河鉄道の父/講談社

銀河鉄道の父

「注文の多い料理店」や「銀河鉄道の夜」など日本人になじみの深い作品を世に送り出した童話作家の宮沢賢治。明治29年に岩手県花巻市に生まれ、昭和8年に生涯を終えるまで、東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。生前は無名に近かった賢治だが、そんな彼を誰よりも信じ、支え続けた男がいた。それは、父の政次郎だ。質屋の店主であり、地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった政次郎は、この息子をいかにして育て上げたのか。

タイトル:銀河鉄道の父
著者:門井 慶喜
発行所:講談社
価格:¥1600+税

夢を追い続けた息子。苦悩しつつも支え続けた父親。

宮沢賢治は生前、「布教活動に熱心だった」「農民たちの土壌改良などの相談に乗っていた」などのエピソードから“聖人君子”として語られがちです。しかし「銀河鉄道の父」に見る賢治は、なんとも情けなく、頼りない。それは、この小説が賢治の父親・宮沢政次郎の視点で描かれた物語だから。「銀河鉄道の父」のなかで生きている賢治はごくごく普通の青年で、人間らしく、そしてチャーミングです。 時は明治、「家長たるもの、つねに威厳を保ち、笑顔を見せず、きらわれ者たるを引き受けなければならぬ」という時代。政次郎は賢治を立派な後継ぎにしようと厳しく育てようと心に決めていたものの、長男のかわいさからつい甘やかしてしまいます。賢治が病気に倒れれば寝ずに看病し、賢治が進学を希望すればそれを叶えてやり、賢治に必要とあればその都度、お金を援助してやる。いつの時代も子育ては理想通りにいかないものです。そんな父親の甘さが招いた結果なのか、賢治の情熱は、家業である質屋には一向に注がれません。高校卒業後も事業を起こそうとしたり、布教活動に熱中したり、その生き方はめちゃくちゃで甘ったれ。やがて童話を書き始めるようになり、「銀河鉄道の夜」など、おなじみの作品も登場しますが、その発表に至るまでの賢治の苦悩や、賢治をたしなめつつも援助を惜しまなかった政次郎の思いを知ると、作品へのいとしさが一層、深まります。決して長くはなかった宮沢賢治の生涯において、ぎこちなく、でもしっかりと紡いだ親子の愛の物語。旅立ちの季節である春にぴったりの作品です。

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